2005-01-01から1年間の記事一覧

カタツムリの孤独

「46個の完全な染色体になりたくて男と女は求め合う」 僕が読んだ本の中にこう書いてあった。 人は男女共々23個の染色体を持って生まれ、残り半分の染色体を求め異性を求めるらしい。 「愛」と呼ばれるロマンチックな感情はただの染色体のメカニズムでし…

生まれ持っての寂しさ

セミが仰向けになって転がっている。 行き交う車のヘッドライトは影を伸ばしては運び去っていく。 僕は走るのをやめセミを見ている。 何年も土の中にいたのに一夏で息絶えてしまった。 彼は自分の命の短さを知っていたのだろうか? だからあんなにもけたたま…

祭りのあと

花火を背にして歩く祭りのあと。 右手のギターケースが手にくいこむ。 僕の影は花火が上がるたび浮き上がりまた消えてしまう。 子供の泣き声、悲鳴、そして歓声。 「川口たたら祭り」のメインイベント、花火が夏を叫んでいる。 野外ライブが終わり僕は疲れき…

旅の途中

新幹線に乗っている。 今日は栃木県大田原市で行われた「与一祭」というイベントで歌ってきた。 宇都宮発最終列車。 窓の外は暗く、オレンジのネオンがポツリポツリ続いている。 隣に乗客はいない。 僕は靴を脱いで隣のギターを見る。 「とうとう新幹線に乗…

たかが自転車されど自転車

来週の月曜日、自転車を買いに行く。 そんじょそこらのチャリンコじゃねーぜ、競技用バイシコーだぜ。 噂によれば車買えちゃう値段するものもあるらしい・・ 「そんなの自転車じゃねー」 僕もはじめは値段を聞いてそうつぶやいていた。 しかしトライアスロン…

流血の幕開け

思ったようにはいかないもんだ。 昨日のアルバムの選曲会、波乱な幕開けだった。 「こちらが新人の工藤慎太郎君です」 マネージャーが僕のことをレコード会社の方々に紹介する。 と、そこには鼻にティッシュをつめこんだ青年が。 なんと初対面から鼻血をだし…

緊張感

とうとう明日プロとしての第一歩を踏み出す。 アルバムを作るための曲選考が行われるのだ。 実際初の経験なので何が行われるかよくわからない。 けれど噂によればレコード会社の人たちが一つのスタジオに集まり僕の歌を聞く、そんな感じらしい。 それも生歌…

初恋

夕立の中、自転車をこぐ一人の少年。 お気に入りのハワイアンシャツ。 泥を撥ね工場地帯のわき道を通り抜ける。 油が流れ七色に輝く水溜り。 「あの子に会いたい」 初恋は突然だった。 小学校の図工の時間一緒になったグループにその子はいた。 「一グループ…

ガリバー旅行記

頭がいたい。 ノートパソコン買ったのはいいけど「?」が頭中を駆け回っている。 俺は短気ですぐ答えを知りたがる。 しかし機械は冷たく俺をあしらう。 説明書を破り捨てていっそ窓の外にパソコン放り投げてやろうか。 できもしない妄想。 腹の下辺りのがキ…

自分の音楽

半月の間ずっと考えてた「自分の音楽とは?」 流行り廃りのない普遍的な歌をうたっていきたい。 そんなおおげさなことじゃなくていい。 爺ちゃんになっても歌えるような、そんな歌がうたいたい。 サウンドがどうのこうのじゃなく、ギター一本でも歌える歌が…

スピリット

「人は死ぬ為に生きている」 僕はそう思う。 何の為なら死んでもいいか?命を懸けられるか? 昔の武士道精神じゃないが、自分の信じたものの為に死ねたら僕は本望だと思う。 昨日、八代亜紀さんの事務所の方々と話し合い食事をした。 超一流のタレントを扱っ…

リゾート気分

朝5時に目が覚めてしまった。 お腹が空いていたので冷蔵庫をあさる。 肉まんをレンジで温め、ビンの牛乳を持って玄関を出た。 外はまだ薄暗く、昨日の小雨のせいか少し肌寒かった。 バス停の横の石段に腰かけ肉まんを頬張った。 通り過ぎるバスの運転手と目…

心の汗

小雨の中を走る。 髪を濡らし、冷たい風が心地いい。 僕は体が軽かった。 さっき流した涙のおかげだろう。 「マラソン」 久しぶりに読むその本は僕の心をサッパリ洗い流してくれた。 ある方が「いい本だから」と僕にプレゼントしてくれたのだ。 最近たるんで…

アーティストと歌手の違い

「上手いなぁ・・」 ビデオを見ながらウットリため息をつく。 表情、歌声、そしてSOUL(魂)どれをとっても一流だ。 「慎太郎君」と呼ばれたあの日から僕は彼女に恋をしている。 八代亜紀さん。 今週のNHK歌謡コンサートでの彼女の歌は最高だった。 他の出演…

音符の重さ

某レコード会社に今日挨拶に行った。 まだ興奮が冷めず、一向に眠れない。 なぜなら今日はっきり感じたからだ。 プロとアマの差を。 歌が上手い下手とかそんな話ではない。 そもそもの「音符の重さ」が違うのだ。 一人のアーティストに何百人いや何千人とい…

母親のポツダム宣言

「慎太郎ギター弾いてるの?」 ノックもせず突然ドアを開ける母親。 「何?」 ぶっきらぼうな僕を無視して彼女は言った。 「ちょっと歌ってくれる?」 リビングルームには二人の知らないお客がいた。 「どうも」 プラスティックのような貼り付けられた笑顔。…

ベットの外で

いびき普通かくか? 歯軋りもすごい。 今度カセットテープで録音しといてやるよ。 「帰り遅くなる」 普通、元カレと遅くまで飯食うか? 相談ごとって何なのよ? 最低な結末でもいい、今すぐ別れよう。 ってか好きなんだよ、忘れらんないよ。 電話放り投げて…

ベットの中で

君が好きだ。 美味しいものを一緒に食べる。 朝起きたときに「おはよう」と言い合える。 さびしいときは抱きしめあえる。 愛しい気持を確かめ合える。 どれも君とじゃなきゃできないこと。 自分が「ここにいる」と思えるのは、君がいるからなんだよ。 ありが…

課外授業

やけに焼肉を食いたくなるときがある。 ガラスケースの向こうに並ぶプラスチックのカルビ。 「ヨダレ出てきた・・」 僕と増木さんは腹を抱えながら列の最後尾に並んだ。 少し曇った空、生ぬるい空気。 もしや昼のテレビで「焼肉は体にいい!」とでも言ってい…

No Meaning

最近ネット上で僕のように自分の日記を公開する人が増えている。 あるサイトで見た日記には「私なんか生きている意味がない」と書いてあった。 夜中の2時に明かりもつけずに見たその日記には人の影の部分が見えた。 正直僕は思う。 「人の人生に意味なんてな…

0×2=0

日々成長したい。 昨日の自分より今日の自分を愛せるように。 結婚式の司会にしろ、新曲を作るにしろ挑戦することが大事だ。 成長の前には必ず痛みや辛さを感じるものだ。 それを乗り越えるから「成長」なんだろう。 「エッ結婚式の司会!?やりたくないよー…

えっ結婚すんの!?

明日は友達の結婚式で司会をやることになっている。 初の試み…ドキドキ。 ライブとは違った緊張感をあじわえるんだろな。 結婚式って自分には関係ない世界だと思ってたら親友のいきなりの結婚! こないだまで中学生だったような俺達、自分達が感じてる以上に…

親父の星空

今、親父が横にいて慣れないパソコンをいじっている。 僕がCDを作っていると「一人より二人のほうがはかどるだろ」と手伝い始めたのだ。 家にはパソコンが二台あるので「焼き」と「印刷」が同時進行させられる。 しかし一人では行ったりきたり、無駄な労力と…

卒業アルバム

高校を卒業し、同級生とも離れ離れになった。 連絡は途絶え、友達のいない生活に慣れていった。 うわべだけの会話、都合あわせの笑顔。 自分を殺すことを覚え「これが普通なんだ」と自分に言い聞かす。 電車の中、鉄橋から見える真っ赤な夕日を眺める。 コン…

ずっとZOO

春は変だ。 女の子からフェロモン的なニオイがする。 すれ違いざまに香る鼻をモゾモゾッとさせるニオイ。 『昼間の公園で鳩が交尾をしてた』 暖かくなると痴漢が増えるというが、このニオイのせいではないか? 人間も動物だ、発情期がある。 まさに今、僕の…

エデン

体の芯が熱い。 来年トライアスロン出場を密かにもくろむ慎太郎。 彼は時間があれば走った。 夜の川原、長い砂利道、濡れたアスファルト。 汗は頬を伝い、地に落ちる。 Tシャツはすでに風に冷たくなびいている。 「気持ィィ」 彼が有一何も考えないでいられ…

自分を超えろ!

「さぁー曲作るぞ!」 マラソンして風呂入って鉢巻して準備OK。 僕の頭には今「作曲」の二文字しかなく、ゴジラが火を吹こうが地球が滅びようが関係ない。 「とにかく曲を作るんだ!」 僕は器用に作曲ができないタイプらしい。 日々の中で「♪フンフン」と鼻…

紙一重

沢山のことが加速的に動き始めている。 自分の知らないところで「工藤慎太郎」が聴かれ、判断されている。 迫り来る目に見えない壁。 ワクワクと足の震えが同時進行。 「くぅ〜たまんない」 子供の頃のことを思い出す。 あれは小学校の歌の発表会。 周りを見…

音楽は心の恩師

声が出る出る! なんだか最近声の調子がイイ。 「気持イイ・・昇天しそう」って瞬間が今日のライブで何回もあった。 やはり「よく寝る」これが喉のためには一番いい。 このことを発見してから自分の体調というものをコントロールできるようになった。 SAXの…

365歩のマーチ

コンサートラッシュ!! ここ最近、週3回はコンサートをやっている。 路上、室内、パーティーなどなど・・。 僕にとっちゃ夢のような毎日!と思いきや、けっこう大変なんだこれが。 ステージングを考え、メンバーと話し合い、肝心な新曲も作らなければいけな…