2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

初めてのリハーサル

スタジオ内は緊張感で張り詰めていた。 舞台監督、コンサートスタッフ、アレンジャー、そしてバンド。 計20人近くの人が真剣な顔で譜面とにらめっこしている。 今日、僕は八代亜紀さんのコンサートのリハーサルに参加してきた。 はじめマネージャーが僕を…

神様の贈り物

「心を込めて歌う」 ずっと言い続けてきたけれど、実際「心を込める」とはどんなことなんだろうか? 昨日の逗子海岸でのライブで僕はその答えを知った。 暗闇の中テーブルにはロウソクが灯り、静けさの向こうに波の音が聞こえる。 一つのスポットライト、僕…

ホームにて

成功でも失敗でも、どっちにしたって俺は幸せ者なんだな。 今日の西那須野の祭、夜空を見上げて歌った。 途中で雨に降られたけれど、それもよし。 今、自分が生きていて歌っている、そう感じられただけでも神様に感謝だ。 小雨の降るホームで新幹線を待って…

竹のように

自分ひとりじゃ手に負えないことは人に頼もう。 人に甘えられるときは甘えちゃおう。 周りには沢山の人がいて、持ちつ持たれつ暮らしている。 なのに時々、一人で生きてる気になっちゃう俺。 「一人じゃダメだ・・」 素直に言える人ほど強いのかもしれないな…

自然の摂理

体を動かせばお腹がへるように。 不安ばかりだと少し光がほしくなる。 そろそろ笑える時がきた。

勇気がほしい

僕は弱いところを見せたがらない。 いつも強がってしまう。 日記だってそうだ、歌だってそうだ。 ダメな時の自分も自分だと刻み込みたい。 どんなことよりも自分の為に歌いたいのに、そこから目を背けてしまう。 あるがままを表現すればいいのに逃げてばかり…

声帯は整体で

今日、整体に行った。 「暴飲暴食してる?それともストレスからきてるのかな?」 整体師の先生は僕の体のあちこちをポキポキ鳴らしながらつぶやく。 「そっそこっ痛いです!」 僕の体の異変に気付いたのはここ最近だ。 なかなか寝付けなくなり、マラソンをし…

音楽の力

音楽の力をもう一度信じてみたい。 僕は何度も音楽に救われてきたし人生を考えさせられた。 実際、音楽はそうあるべきだと思うし、その力があると思う。 けれど僕達が今耳にする音楽の大半は日常のバックミュージックと化している。 心地よさだけを求めてい…

ファイティングポーズ

「慎太郎ハモれる?」 彼女と「竹田の子守唄」を歌った。 隣に座った彼女の唇。 その声は深く僕の胸を沈めた。 「八代亜紀さんが僕の横で歌っている・・」 目を覚ませば自宅の天井じゃないかと思った初の箱根八代山荘訪問。 TVで何度となく見たその別荘は…

カタツムリの孤独

「46個の完全な染色体になりたくて男と女は求め合う」 僕が読んだ本の中にこう書いてあった。 人は男女共々23個の染色体を持って生まれ、残り半分の染色体を求め異性を求めるらしい。 「愛」と呼ばれるロマンチックな感情はただの染色体のメカニズムでし…

生まれ持っての寂しさ

セミが仰向けになって転がっている。 行き交う車のヘッドライトは影を伸ばしては運び去っていく。 僕は走るのをやめセミを見ている。 何年も土の中にいたのに一夏で息絶えてしまった。 彼は自分の命の短さを知っていたのだろうか? だからあんなにもけたたま…

祭りのあと

花火を背にして歩く祭りのあと。 右手のギターケースが手にくいこむ。 僕の影は花火が上がるたび浮き上がりまた消えてしまう。 子供の泣き声、悲鳴、そして歓声。 「川口たたら祭り」のメインイベント、花火が夏を叫んでいる。 野外ライブが終わり僕は疲れき…

旅の途中

新幹線に乗っている。 今日は栃木県大田原市で行われた「与一祭」というイベントで歌ってきた。 宇都宮発最終列車。 窓の外は暗く、オレンジのネオンがポツリポツリ続いている。 隣に乗客はいない。 僕は靴を脱いで隣のギターを見る。 「とうとう新幹線に乗…

たかが自転車されど自転車

来週の月曜日、自転車を買いに行く。 そんじょそこらのチャリンコじゃねーぜ、競技用バイシコーだぜ。 噂によれば車買えちゃう値段するものもあるらしい・・ 「そんなの自転車じゃねー」 僕もはじめは値段を聞いてそうつぶやいていた。 しかしトライアスロン…

流血の幕開け

思ったようにはいかないもんだ。 昨日のアルバムの選曲会、波乱な幕開けだった。 「こちらが新人の工藤慎太郎君です」 マネージャーが僕のことをレコード会社の方々に紹介する。 と、そこには鼻にティッシュをつめこんだ青年が。 なんと初対面から鼻血をだし…

緊張感

とうとう明日プロとしての第一歩を踏み出す。 アルバムを作るための曲選考が行われるのだ。 実際初の経験なので何が行われるかよくわからない。 けれど噂によればレコード会社の人たちが一つのスタジオに集まり僕の歌を聞く、そんな感じらしい。 それも生歌…

初恋

夕立の中、自転車をこぐ一人の少年。 お気に入りのハワイアンシャツ。 泥を撥ね工場地帯のわき道を通り抜ける。 油が流れ七色に輝く水溜り。 「あの子に会いたい」 初恋は突然だった。 小学校の図工の時間一緒になったグループにその子はいた。 「一グループ…