緊張感

とうとう明日プロとしての第一歩を踏み出す。
アルバムを作るための曲選考が行われるのだ。
実際初の経験なので何が行われるかよくわからない。
けれど噂によればレコード会社の人たちが一つのスタジオに集まり僕の歌を聞く、そんな感じらしい。
それも生歌だ。
緊張して声が出るだろうか?
寝不足にならないだろうか?
不安はつのるばかりだ。
「緊張ってするんですか?」
人によくこう聞かれる。
僕は未だに路上ライブで緊張する。
「失敗したってまた今度歌えるよ」
そう思えば楽だろう。
けれど毎回「一度しかない」と思うと緊張感が走るのだ。
もしかしたら今日しか僕の歌を聴けない人がいるかもしれない。
もしかしたら今日で声がでなくなるかもしれない。
そう思えば思うほど愛しく、そして強くなれる。
緊張はする、けれどそれより大事な物を歌にこめられる気がするのだ。
僕の初心は何だ?
歌い始めギターを初めて握ったあの感触、忘れてないか?
楽しもう、それがまず第一だ。