2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

諸刃の剣

僕がこの日記を書くとき正直「葛藤」がある。 気持が弱っているとき書くことができない。 「気楽に書けばいい」と誰かが言う。 けれど本音はどこかで誰かを傷つける。 今日、僕は待ちに待った「NHK歌謡コンサート」に出演した。 家に帰ってきてVTRをチ…

今日初めて生の落語を聞きに行った。 2千人近く集客できる大ホール、僕は二階席の一番前。 客層の大半はやはり白髪交じりのジっちゃんバっちゃん。 しかし以外にも若いカップルもいたりした。 「どんな演出」「どんな客層」をすかさずチェック。 ブザーが鳴…

7年ぶりの再会

何にも変わってないと思った。 夜8時、久しぶりの声が電話から聞こえてきた。 「工藤いま何してんの?」 外にいたので折り返し連絡することを約束し切った。 ファミレスにいたのは相も変らぬ三人だった。 渡辺、中村、藤田、約7年ぶりの再開。 12時近く…

カミキリムシ

やることのない日は土手を歩く。 陽射しに溺れてしまいそうな太陽の下 すれ違う犬に道をゆずった。 行く当てもないから公園へ行き 野原を下に居眠りをした。 腕の痛みにビックリしたら 真っ黒なカミキリムシが 駄々をこねるので振り払い 背中の草をはらって…

「まっいっか」

僕は小さい頃エレクトーン教室に通っていた。 年に一回の発表会が嫌いで嫌いでしょうがなかった。 順番待ちをしてるときなんか足が震えて仕方なかった。 「次は工藤慎太郎君です」 階段を目まいを起こしながら上っていく。 カチカチになったお辞儀をして汗び…

テレビさんへ

テレビさん、あなたを最近見ないのは嫌いになったからじゃないんです。 自分自身を見つめるために少し頭をカラッポにしたいんです。 あなたはけっこう情報通ですよね。 あることないことけっこう教えてくれますよね。 けど何だか最近疲れてしまったんです。 …

夕日の少年

僕はその少年を抱きしめた。 「ありがとな・・」 札幌、苫小牧と北海道計4箇所のインストアーライブ。 デビューして以来一番のいい経験をした。 初ともいえるアウェー戦、意気込みは十分だった。 「北海道をアッと言わせてやる」 演奏後、マジックを握り締…

空に手をかざし

今更になってまた「歌う意味」について考える。 今日は札幌に来ていて、レコード会社の営業担当の方と酒を酌み交わし語った。 「なぜ今CDが売れない時代なのか?」 「工藤慎太郎はどういう方向に向かっているのか?」 一つ一つを紐解いてみるとお互いの意…

手招くマンホール

夕日に背を向け走る。 長い長い影を追いかけて土手沿いの道を。 橋の上の渋滞とオレンジに染まる雲。 汗まみれのTシャツが体にへばりつく。 訳もなく虚しさに包まれて僕は家を飛び出た。 気づけば気づくほど考えれば考えるほど何が正義かわからなくなる。 見…

前橋ドームにて

あちらこちらから手が伸びてきた。 僕の目線は定まらず、カメラを見たり握手をしたり。 「がんばってね」 怒涛のCD売り場は修羅場と化していた。 スタッフ総勢10人体制、準備万端やる気満タン。 「慎太郎のCDはこちらになります!」 前橋ドームのべ人数1…

ドラキュラはピンクがお好き

僕はどちらかというと光より闇を好むらしい。 昼真っからブラインドを下げて部屋を真っ暗にする。 机の前のスタンドだけ灯すと妙に落ち着く。 コンサートの控え室も煌々と灯る化粧用の明かりを消し薄暗くする。 「普通は控え室って明るくするものなのよ」 マ…

イマジン

ジョン・レノンが「イマジン」という曲を歌った。 「想像してみなさい、この世に国境など無いことを」 僕達は概念という鎖につながれた生き物だ。 けれど時に強い「愛」がその鎖を解いてくれるときがある。 世界にたった一人、この地球にたった一人、そう宇…

決意

世界中の愛に裏切られても僕はあなたを信じる。

新潟の熱燗

最後に食べた蕎麦をトイレに吐いた。 風呂のバスタブ、窒息しそうなシャワー。 太陽が燃える臭いがした31階の展望台。 夕日が地球に墜落していく。 綺麗過ぎて怖い夜景を見ながら僕は新潟に酔っている。 飲めない酒を熱燗なんて生意気に4合。 どれくらい…

バス

バスを降りるとき「ありがとうございました」とその子は言った。 雨が降る街はドンヨリ重たいネズミ色。 天井からは運転手さんの鼻息がマイクを通して聞こえてくる。 静けさを掻き分ける大きなワイパー。 ギターを持った僕は頬杖をついてその子を見ていた。 …

約束破り

ガラスに額を押し付け、少し伸びた無精髭をさする。 地下鉄の最後尾、僕は闇の中小さくなる駅を見つめた。 「ダメダオレ・・」 今日はレコード会社のディレクターに新曲を披露する日だった。 わざわざ時間を取っていただいたにもかかわらず僕は約束を破った…

400枚の初心

手が震え始めてきた。 インクのシンナーの匂いは頭をクラクラさせる。 山積みになった色紙を見るたび気が重くなった。 僕は今日始めてサインを500枚書いた。 今度行われる「前橋ドーム」でのコンサート。 もちろん八代さんのコンサート。 しかしマネージ…

世界一かっこ悪い俺に捧ぐ

世界一かっこ悪い俺に捧ぐ。 それなりの服を着て、それなりの飯を食べて、それなりの暮らしをする。 それなりの歌が生まれる。 それなりの友と会い、それなりの言葉を吐き、それなりの夢を見る。 それなりの歌が生まれる。 それなりに恋をして、それなりに体…

シェフおじさん

永遠なんてないことを知る。 月の綺麗な夜にメールが届いた。 「永井さんが倒れた」 タウンページをひっくり返しながら親は知り合いの連絡先を探す。 僕はといえば何が起こったのかもわからず突っ立っていた。 出会いは一年前の路上ライブだった。 僕が歌っ…

友達

みんな何やってんだろな、なんて思う。 高校中学と友達だったやつら。 僕は大学にいってないし、生意気に中学から私立。 「頭良かったんだね」 じゃあ今はどうなんだよって。 まぁ当時は努力してました。 話それちゃうけど、当時通ってた塾に好きな子がいた…