わがまま

僕が女の子にふられようが桜は咲く。
デビューしようが夢に敗れようが春は来る。
一喜一憂する間に季節は変わって僕はまた取り残された気分になる。
ラソンしていると急に街に冷たくされる気分になる。
それは僕がどうなろうと明日も同じようにネオンが瞬くんだろうとか。
ヘッドライトがまぶしく跳ねるんだろうとか。
こんなことを書いている僕はひねくれてるのかな?
最近昔の文学を読んだりしてる。
すると「すごいな」と思うばかり。
だってお金のために書いていないもん。
生活のためだったらもっと庶民に媚をうったようなものになるのに。
自分勝手だ。
なんて我儘なんだ。
いじらしいほど私的な文に心が共鳴して切ないよ。
僕はどうだ?
なんて媚を売った生き方をしてるんだろう。
僕の歌まで紫色のベトベトした奴に侵食されようとしている。
今の僕に歌はかけない。
このまま堕落の果てまで行ってみるか?
できるわけもないよなお前には勇気がないもの。
地下鉄に乗るたび頭をこすり付けて自分の顔を窓に映す。
無性に腹が立つのは何でだ?
このまま知らないホームに降り立って知らない街を歩こうか迷う。
みんな乗客はのっぺらぼうで孤独の殻に閉じこもっている。
僕もきっと同じなんだろう。
僕は26歳。
これからどうやって生きていくんだろうと思う。
妙に楽観的なのは直視できないから。
結婚?出世?それともミリオンヒット?
僕には夢がないんだろうか、まったくもって意欲がない。
ただ自分に歌が唄いたい。
いい子ぶって「人のため」と言うけれど、僕は結局。
なんて小心者なんだと思う。
ごめんなさい僕は自分のために歌を唄っています。
だから自分にわかる言葉で自分に言い聞かせるように唄います。
だからよく泣いてしまうのかもしれません。
歌はささやくように叫ぶのです。
「愛してる」って蟻んこに言うとき、大声で言ったら驚いてしまう。
吐息のように「愛してる」と言ったって気持はどうかな?
だからささやくように叫ぶんです。
話があっちゃこっちゃどうにもまとまらないけど今日はこんな気分です。
我儘になりなさいすべて脱ぎ捨てて。