2005-01-01から1年間の記事一覧

本心

百の言葉を並べるより、一の本心を伝えたいな。

素顔

「星ってこんなにあったんだなぁ」 大きな石にねっころがってつぶやく。 一定のリズムで回る堤防の光が、水平線のかなたに消えていく。 波の音と静寂。 明日行われるコンサートの為、いち早く乗り込んだ沖縄。 行きに着てきた長袖はトランクの奥底にしまいこ…

最近の悩み

かっこ悪い自分を見せられる人はなんてかっこいいんだろう。 僕にはそんな勇気がない。 最近、曲を作ろうと思う時かまえてしまう自分がいる。 「いい曲、いい詞を書かなきゃ」みたいな。 ありのままでいいのに‥と思、けどそれがすごく怖いんだ。 自分の弱い…

しょっぱい水

ライブ後の控え室、暗闇の中灯る数本のロウソク。 6畳ほどの部屋の中、8人の大人が肩寄せ合いその光を見つめていた。 「♪ハッピーバースデー慎太郎」 溢れくる感激、一気に吐き出すようにケーキの上の灯を思い切り吹き消した。 巻き起こる拍手。 途中で涙…

Blowin’InTheWind

「愛される」ということは大変なことなのかもしれない。 来年デビューするにあたって一番怖いことがある。 「自分はかわらなくても、回りの見る目がかわる」ということ。 自分でも反省しているが、テレビに出ている有名人を一目見て「性格嫌い」とか判断して…

緑色の金魚

「緑色の水の中で金魚を飼ったら?」 緑色になるわけはない。 けれど人間は違う。 悪い環境の中にい続けるとその色に染まっていく。 「天狗になって終わってくタレントなんて腐るほど見てきたよ」 コンサートの打ち上げ中に酒を酌み交わしながらスタッフと話…

道標(みちしるべ)

「慎太郎がもしスターになってお金をかせいだら両親にまず何を買ってあげたい?」 八代亜紀さんの潤んだ瞳が僕を見つめる。 静まり返る会場、照らすスポットライト。 「父親の頭に髪を植えてあげたいです」 その瞬間、八代さんの腰は浮き上がり会場は笑いの…

優しい景色

今日は喉が痛くて寝てた。 風邪をひいたらしい。 「プロの第一条件は体が丈夫なこと」 あ〜ぁさっそくプロ失格だな。 そういえば小さい頃、風邪をひくと母親がおでこに手をあてて熱を確かめてくれたっけ。 ここぞとばかりに甘えても母親はその通りにしてくれ…

心に愛を

ライヴって本当に面白い。 何度やったって同じ歌は唄えない。 一度きりの「生」がそこにある。 昔僕は上手く歌うことだけに気をとられていた時があった。 何をトークで喋ろうか、どんなふうに間を埋めようか、そんなことばかり。 けれど聴きに来るお客さんは…

最高傑作

小雨の夜道を走る。 濡れた髪と張り付いたシャツ。 煌々と照らす街灯の下、雨粒達が作る斜め模様がとても綺麗だった。 僕の右手には最近買ったばかりの「iPod-nano」(デジタルオーディオプレイヤー)。 ヘッドフォンからは昨日レコーディングしたばかりの「…

音楽少年

その手は大きかった。 「よろしく」 ギュッと握られた手からは世界を唸らす貫禄と情熱が伝わってきた。 今、僕の目の前にはあの日野さんがいる。 テレビで見ていた時と同じような髭、笑うと下がる優しい目尻、そして取り出した鈍い金色のトランペット。 今日…

覚悟の街

潮の香りをはらんだ生ぬるい風。 ヘッドライトを点しながら、来ない客をタクシーの長い列が待ち続けている。 鹿児島サンロイヤルホテル11階。 繁華街ではないのだろう、僕はコンサートを終えベランダからちっとも冴えない夜景を眺めていた。 昨日最後を迎…

涙の船

人の心の中に 川が流れていて 悲しみを海へ運ぶため 涙の船をだすユラリユラリ揺られながら 巡り巡る旅をする 胸の痛みを時の運命を人の心の中に 空が続いていて 悲しみが海に浮かぶ頃 茜の色に染まる人の心の奥に 花が咲いていて 悲しみを土にかえすため 涙…

一人間

ようやく最近涼しくなってきた。 明朝ランニングに出かけたところ、夏場走りきれなかったコースを難なく走りきることができた。 これもやっぱり気候のせいだろう。 「無理だよぉ」 みんながみんな笑いながらこう言う。 トライアスロンに挑戦することがそんな…

早朝5時のフロントには誰もいなく、薄明かりの中クラークが一人立っていた。 鍵を渡し自動扉をくぐる。 僕は今、青森グランドホテルのチェックアウトを終え10分後に発車する新幹線に乗り込もうとしている。 静かなホームと肌寒い空。 何人かがどんぶりを…

ナンパ急行青森行き

東京〜八戸行き、はやて7号。 僕は頬杖をつきながら窓の外、流れる田園風景を見ている。 曇り空の下、立ち上る煙と霞む山々。 あの川に浮かぶ船頭に僕の姿など見えないのだろう。 しかし超スピードで突き進むこの文明の力、感動やいたわりなどないぐらいの…

ハイポーズ

洋服セットよし! 歯磨きセットよし! ギターよし、ルックスよし! 明日は初写真撮影だ。 この日のために少し体重も落としたし、お肌もツルツルにしといた。 カメラマンはなんと女性。 「慎太郎はたぶん女性に囲まれて仕事するほうがいい」 なんと社長のお言…

母親の声

静かな夜だ。 家の前を車が走り抜ける音さえ心地いい。 長い夏が終わり、秋が訪れる予感。 季節の変わり目は気持ちが切ない。 「怖いよ・・」 秋の夕暮れを思い出す。 一人ひざを抱えながら僕は母親の帰りを待っていた。 窓辺、落ちる夕日の赤。 突然この世…

富山の夜

スポットライトの向こうには六百人の人。 歓声と拍手が僕を温かく包んでくれた。 今日は八代亜紀さんと富山でディナーショーを行った。 普通のライヴとは違い独特の雰囲気と臭い(なんと温泉が湧いてる!)におされぎみだったが‥精一杯歌えたと思う。 「富山…

失敗は成功のもと

ガチャーン! 大きな音が響いた。 自転車の下でもだえ苦しむ青年。 「痛ってー・・」 人目を恥ずかしがりながら起き上がり何事もなかったように走り出す。 目標の地点まであと5キロ、雲行きは怪しいがなんとか持ちこたえそうだ。 僕は今、昨日届いたばかり…

涙の結晶

泣いた泣いた泣いた。 レコーディングとはこんなにも涙が出るものなのか? 意見の衝突や葛藤はある、けれどそんなことよりも新しいものが生まれる感動の方が大きかった。 僕の作った歌が沢山の人の思いに支えられて成長していくのを見ていると、高校の頃初め…

初めてのリハーサル

スタジオ内は緊張感で張り詰めていた。 舞台監督、コンサートスタッフ、アレンジャー、そしてバンド。 計20人近くの人が真剣な顔で譜面とにらめっこしている。 今日、僕は八代亜紀さんのコンサートのリハーサルに参加してきた。 はじめマネージャーが僕を…

神様の贈り物

「心を込めて歌う」 ずっと言い続けてきたけれど、実際「心を込める」とはどんなことなんだろうか? 昨日の逗子海岸でのライブで僕はその答えを知った。 暗闇の中テーブルにはロウソクが灯り、静けさの向こうに波の音が聞こえる。 一つのスポットライト、僕…

ホームにて

成功でも失敗でも、どっちにしたって俺は幸せ者なんだな。 今日の西那須野の祭、夜空を見上げて歌った。 途中で雨に降られたけれど、それもよし。 今、自分が生きていて歌っている、そう感じられただけでも神様に感謝だ。 小雨の降るホームで新幹線を待って…

竹のように

自分ひとりじゃ手に負えないことは人に頼もう。 人に甘えられるときは甘えちゃおう。 周りには沢山の人がいて、持ちつ持たれつ暮らしている。 なのに時々、一人で生きてる気になっちゃう俺。 「一人じゃダメだ・・」 素直に言える人ほど強いのかもしれないな…

自然の摂理

体を動かせばお腹がへるように。 不安ばかりだと少し光がほしくなる。 そろそろ笑える時がきた。

勇気がほしい

僕は弱いところを見せたがらない。 いつも強がってしまう。 日記だってそうだ、歌だってそうだ。 ダメな時の自分も自分だと刻み込みたい。 どんなことよりも自分の為に歌いたいのに、そこから目を背けてしまう。 あるがままを表現すればいいのに逃げてばかり…

声帯は整体で

今日、整体に行った。 「暴飲暴食してる?それともストレスからきてるのかな?」 整体師の先生は僕の体のあちこちをポキポキ鳴らしながらつぶやく。 「そっそこっ痛いです!」 僕の体の異変に気付いたのはここ最近だ。 なかなか寝付けなくなり、マラソンをし…

音楽の力

音楽の力をもう一度信じてみたい。 僕は何度も音楽に救われてきたし人生を考えさせられた。 実際、音楽はそうあるべきだと思うし、その力があると思う。 けれど僕達が今耳にする音楽の大半は日常のバックミュージックと化している。 心地よさだけを求めてい…

ファイティングポーズ

「慎太郎ハモれる?」 彼女と「竹田の子守唄」を歌った。 隣に座った彼女の唇。 その声は深く僕の胸を沈めた。 「八代亜紀さんが僕の横で歌っている・・」 目を覚ませば自宅の天井じゃないかと思った初の箱根八代山荘訪問。 TVで何度となく見たその別荘は…