声帯は整体で

今日、整体に行った。
「暴飲暴食してる?それともストレスからきてるのかな?」
整体師の先生は僕の体のあちこちをポキポキ鳴らしながらつぶやく。
「そっそこっ痛いです!」
僕の体の異変に気付いたのはここ最近だ。
なかなか寝付けなくなり、マラソンをしても長距離走れなくなった。
デビューに向けてのプレッシャーなのだろうか?
自分では何も感じていないつもりでも体は素直だってことか?
僕は小さい頃から今まで「ストレス」知らずで育ってきた。
人はなんだかんだと「ストレス」という言葉を連発してはいやな顔ばかりしている。
そんな彼らを見ては「自分には関係ない」と吐き捨てていた。
しかしどうだろう、今の僕を蝕んでいるのは紛れもない「ストレス」なんじゃないか?
目に見えない精神的圧力に押しつぶされそうになってないか?
母親は言う「デビューが決まったのにストレスなんて・・あなた贅沢すぎよ」
そうだろう、僕も贅沢極まりないと思う。
しかし僕はここ何日でわかったことがある。
「自分が思うほど僕は自分の体を知らない」
体は心より素直だ。
故障すれば痛みに変わり警告する。
傷つけば血が出て危険を知らせてくれる。
しかし心はそうじゃない。
体を無視しても普通を装う。
「ストレスなんて俺には関係ない」
僕は自分の体を無視し続けた。
とうとうそのツケが回ってきてしまったようだ。
若いくせに・・と後ろ指をさされても歌にはかえられない。
いい歌をうたうためにも整体に足を運んだ。
「若いうちに来るのは正解だよ」
整体の先生が終わりの頃教えてくれた。
「体が動かなくなってから来たって遅いんだ」
これから先、一生を共にする自分の体。
大切にしたい。