心に愛を

ライヴって本当に面白い。
何度やったって同じ歌は唄えない。
一度きりの「生」がそこにある。
昔僕は上手く歌うことだけに気をとられていた時があった。
何をトークで喋ろうか、どんなふうに間を埋めようか、そんなことばかり。
けれど聴きに来るお客さんはそんなことを求めてライヴに来るわけじゃない。
それぞれの大事な時間を裂いて、何で僕の歌を聴きにきてくれるのか?
そう、結局僕の歌はもちろんなんだけれど、「工藤慎太郎」という人間に会いたくて来てくれるんじゃないだろうか。
それなら不器用でカッコ悪い自分や普通の飾らない自分をライヴで見せられたらいいと思うようになってきた。
涙を最近ポロポロこぼすのはそのせいだ。
自分を愛してくれるみんなの気持ちがありがたくてありがたくて仕方ない、そんな涙なんだ。
「生」がいい歌手はやっぱり魅力的だと思う。
人に魅力を感じなければ何度もライブに足を運ばない。
いつまでも自分が一番のファンでいられるように自分を愛してあげたい。
もっと心に愛を。