一人間

ようやく最近涼しくなってきた。
明朝ランニングに出かけたところ、夏場走りきれなかったコースを難なく走りきることができた。
これもやっぱり気候のせいだろう。
「無理だよぉ」
みんながみんな笑いながらこう言う。
トライアスロンに挑戦することがそんなに無理なことだろうか?
「デビューをしたら練習時間なんてとれないんじゃない?」
少し不安だけれど、前の自分より今の自分の方が生き生きしているのを感じる。
何かに挑戦することは日々の暮らしに光を与える。
昨日、僕の「シェフ」という歌にでてくるシェフの店に足を運んだ。
沢山のことを喋った。
そんな中、ポツリとシェフが言った言葉がある。
「慎太郎、うだつのあがらない奴にこそ歌ってやってくれ」
成功して光を浴びている奴よりも、ピラミッドの下のほうで頑張ってる奴に歌ってくれと言った。
本当の意味の大衆音楽(ポピュラーミュージック)を歌えという意味なんだろう。
みんなよく目を凝らしてみれば不器用に生きている。
コツコツ夢に向かって歩いている。
「頑張れ、頑張れ」
人間の本当は大衆の中にあると思う。
作り物でない人間の生き様。
僕は歌手であるまえに一人間でありたいと願う。
夢に向かってコツコツ不器用に努力する一人間でありたい。
いい歌を歌うためにトライアスロンをやるんじゃない。
トライアスロンに挑戦する人間が作った歌を聴いてみたいんだ。
一人間、僕にとって永遠の課題だ。