緑色の金魚

「緑色の水の中で金魚を飼ったら?」
緑色になるわけはない。
けれど人間は違う。
悪い環境の中にい続けるとその色に染まっていく。
「天狗になって終わってくタレントなんて腐るほど見てきたよ」
コンサートの打ち上げ中に酒を酌み交わしながらスタッフと話した。
タレント自身はもちろんだが、事務所がタレントの精神性を作り上げていくという所も大きい。
僕はその面、幸せすぎるほど恵まれている。
マネージャーはしっかり叱ってくれるし、社長は「心で歌え」と言ってくれる。
スタッフはまるで家族のように親身に僕のことを想ってくれる。
「チャンスは出会い」
この1年間で出会う人みんな僕の宝だ。
純粋で不器用で、人間らしくて一生懸命で。
愛すべき人々。
もし僕が金魚だったなら、緑でもピンクでも染まってもいい。
今いる水の中で泣き、笑い、そして歌えるならばその「愛すべき人々」の色に染まりたい。
けして自分の個性を無くすという意味ではない。
いいものはエラ呼吸ですべて吸い取ってしまいたい、そんな気持なんだ。
夢ある人は夢ある人に作られていく、そう思う。