諸刃の剣

僕がこの日記を書くとき正直「葛藤」がある。
気持が弱っているとき書くことができない。
「気楽に書けばいい」と誰かが言う。
けれど本音はどこかで誰かを傷つける。
今日、僕は待ちに待った「NHK歌謡コンサート」に出演した。
家に帰ってきてVTRをチェック。
腹が減ってたのでうどんをすする。
パンツ一ちょでソファーに座る。
もう一度VTRを巻き戻し。
横に並ぶ大御所の方々の顔ぶれはどれも日本の音楽を支えてきた人ばかり。
この中に紛れて僕が楽しそうに笑っている。
ヘビーな空気に押し潰されそうになりながらも抵抗。
そう、楽しむことが精一杯の僕の抵抗だった。
舞台裏で震えた。
予想も付かない未来に震えた。
ギターを持った手は異次元の世界に切り離され感覚麻痺。
口はただただ「歌う」ということだけに生きていた。
まばたき一つの短さで僕の最長の日は過ぎていった。
言葉を使う時、注意が必要だ。
TVに出る時、注意が必要だ。
日記を書く時、注意が必要だ。
全国で何百万人もの方がいっせいに僕のことを知れる時代。
イメージという一歩間違えれば危ない個性が先行してしまう。
さっきまでテレビに出させていただいていた僕がこうして日記を書いている。
初めは自分を見つめるために書き始めた。
けど最近言葉が怖い。
どう思われるかなんて考えた日には一文字もペンが進まない。
「飛び越える勇気」
人は自分を省みず伝えたいことや想いが溢れるとき初めて言葉になる。
そして歌になる。
「自分が傷つくより伝えることが大事」
そう思えたとき初めて恐怖を飛び越えられる。
これからも日記を僕は書いていく。
そしてテレビ出演も頑張って楽しみたい。
もう後ろ指をさされようと胸を張って想いを伝え続ける運命に染まってしまった。
これが慎太郎、お前の選んだ道だろ?
生きることは諸刃の剣。
傷ついても守らなきゃならないものがある。
さぁ、次の夢を叶えに行こう。