新潟の熱燗

最後に食べた蕎麦をトイレに吐いた。
風呂のバスタブ、窒息しそうなシャワー。
太陽が燃える臭いがした31階の展望台。
夕日が地球に墜落していく。
綺麗過ぎて怖い夜景を見ながら僕は新潟に酔っている。
飲めない酒を熱燗なんて生意気に4合。
どれくらいの量なんてわかんないで飲んだからけっこうグルグルきた。
タクシーの運転手が「どこからいらしたんですか?」って聞くから。
「埼玉からきました、歌うたってるんです」って言った。
TVに出るんだって自慢なのか口から出た。
こんな酔っ払ったのは高校卒業したあの日以来だ。
大好きな子に会いたくて会いたくて会いたくて。
缶ビール10本ぐらい空けたかな、足ふらふら。
電車乗っていきなりその子に会いに行った。
電車の中でしゃがみながら吐いた。
ちょうど股間のあたりに大きなシミができた。
待ち合わせして歌をうたった、できたての歌。
その子「大丈夫?気をつけて」って言って帰っちまった。
コンクリートの上一人っきり。
朝焼けが見たい。
心臓が燃え滾るマグマになるまで焦がしてくれ。
理科の実験、、虫眼鏡で紙を焼いた。
一転に集まる点は黒くなった。
昇る煙は干したての布団のような生命。
まだボーっとする、酔うとバカになるね。
どうでもいいって気分じゃなくって本当が見える。
素っ裸でこの日記書いてると笑えてくる。
もう寝よう明日もあるし明後日もある。
おやすみ今日の日の僕。