黄色いクマさんの弁当箱

3日間の5公演。
山梨県民ホールでの八代さんとのコンサート。
最終日はやっぱりちょい寂しい。
ふと楽屋の前をフラッとすれば昼の弁当が目に飛び込んでくる。
「今日の中身はなんじゃらほい?」
遠足ではよく母ちゃんに弁当を作ってもらった。
オニギリはいつも海苔が別にしてある。
パリパリ感を味わう為だ。
黄色いクマさんの弁当箱、蓋を開ける瞬間がたまらなく楽しみだった。
から揚げウィンナーサンドウィッチ。
いつも残すのがいやで米粒一粒も持って帰らなかった。
この年になってまた「弁当」というものにお世話になるとは。
お腹の辺りをさすってみる。
最近毎日のように走りこんでいるから少し痩せたかな?
カロリーが高いといわれる弁当とにらめっこ。
栄養の為にも箸をつけないわけにはいかんだろ。
神様に謝る。
「ごめんなさい御飯残します」
残さずきれいに食べなさいと言われ育った。
食べ過ぎてプクプク太った。
先生に注意された。
「この子は肥満児です」
母ちゃんは怒った。
「この子は全部筋肉です!」
日本の食生活、残飯が山のようにゴミに出されるという。
今でも途中で箸を置けば心が痛む。
許容量をとうに過ぎても出され続ける皿、皿、皿。
僕はどう感じていけばいいんだろう?
どれだけ神様に謝ればいいんだろう?
黄色いクマさんの弁当箱。
開ける瞬間が一番幸せだった。