僕には羽がある

なかなか寝付けないのは興奮のせい。
下半身が疼くわけじゃない。
ましてや上半身が疼くわけでもなし。
そう胸の辺りがノックされてるみたいにドキドキしてる。
目の前に並ぶ未来の可能性。
閉ざされたドアを開けるキーは僕の手の中。
闇が割れ光の血脈が大地に根をはる。
忘れ去られた呪文を唱えよう。
「希望」
悪魔は自分自身が作り上げた幻想。
ならば神や幸福は誰かを想う祈り。
風が吹かなければ歩いて風を感じればいい。
抱きしめられたいならその手で誰かを抱きしめればいい。
動き出す時だ。
ゆっくりゆっくり車輪が回る。
鉄の塊のあの機関車だってスコップに盛られた石炭から始まる。
地球という星にたとえたらあの石炭は何にたとえられる?
「優しさ」か「愛」かそれとも「情熱」か?
世界を変えてみせよう。
生まれた奇跡に比べりゃ何ぼのもんじゃい。
虫かごで飼われたバッタのように跳ぶことを忘れただけさ。
きっと僕らには羽がある。
「あきらめ」に蓋をされた虫かごにいつからか飼いならされて。
消えてしまったんだ色を無くしてしまったんだ僕らの羽。
どうかあきらめないで、どうか信じ続けてください。
僕には羽がある。