ちりも積もれば

ふとペットボトルの数をかぞえてみる。
ランニングの度に飲み干すスポーツ飲料。
これだけあればイカダを作って無人島にも行けそうだ。
「ちりも積もれば山となる」
デビューして半年、少しずつ「シェフ」が浸透していることを感じる。
八代さんのコンサート後の握手会。
「いつも有線で聴いてるよ」
「あなたが歌ってたの!」
なんだか「シェフ」に負けていられない。
もし一日にギターのコードを一個覚えていくとしよう。
一ヶ月で30個、一年で365個。
毎日10Km走っているからもう1000Kmはくだらない。
明日はぜんぜん違う自分にはなれないけれど少し違う自分にはなれる。
「果てしない道だ」と嘆くより目の前の草木に触れてみよう。
「もうダメだ」と嘆くより水溜りに映る星空を見てみよう。
一歩前へ。
外じゃ夜中だってゆーのに蝉が鳴いてら。
くやしいけれどあいつらのほうが頑張ってるぞ。
いつ終わるとも知れない真夏を懸命に生きる命。
もっと歌が上手くなりたい。
もっといい曲を作りたい。
虫かごをぶら下げて走り抜けるあの日の少年。
夕闇がいつ来るとも知らず。