苦い果実

僕は人と話すのが苦手だと思う。
「人前で歌って話してどこが苦手なの?」
そりゃそうだ。
けど実際一人でいる時の方が気が楽だしため息もつける。
みんなそうなのかな?
人と向かい合って妙に緊張する。
場をつくろうように三人なら得意だ。
二人になるとどうもどこを見ていいのやら。
こんな時もっとわがままになりたいと思う。
相手の感情ばかり探しては自分の言葉を失ってしまう。
いっそのこと黙ってしまおうか。
話はかわるけれど、最近「優しさ」について考える。
相手を抱きしめることもそうだけど大切な時突き放してあげる勇気も優しさなんじゃないかと。
自分が嫌われるかもしれない恐怖は相手への本当の愛があってこそのもの。
甘い果実ばかりを噛り続けてきた僕は本当の愛の実を知らない。
「話すのが苦手です」
この感情の裏にはなんだか自分を守るつまらない欲が見え隠れしてる気がしてならない。
真実は苦い。
いつか相手の目をまっすぐみつめ凛とした心をさしだせる優しさを手にしたい。


☆紅白まで残り159日☆