足りないパズルの1ピース

スポンジをしぼればまた水を吸う。
満たされていては得られないものがある。
恋をすると人は切なさを感じる。
それはたぶん新しい空白が感情の中にできるからだ。
今まで支障なく暮らしてた毎日にふとできた穴ぼこ。
それは好きな人がぴったりはまる形。
そいつを埋めたくて埋めたくて切なさに暮れる。
足りないパズルの1ピース。
最近僕は曲を作ることに専念している。
高校生の頃から曲を作っていたが今ほど悩まなかった気がする。
理由がやっとわかった。
「満たされているから」
何かしたくてうずうずしてた10代。
夢のかけらを拾い集めたアルバイト時代。
どちらも恋に夢に不器用に残りの1ピースを探し求めていた。
いつも何か足りなくてもがいた想いが歌になった。
僕は今満たされている。
誰かが言った。
「何かを得るためには何かを失わなければいけない」
新しい一歩を踏み出すためにあえて荷物を捨ててみる勇気。
「ハングリー精神」とはうまく言ったものだ、訳せば「飢えた精神」。
お腹がすきゃ何だって美味い、傷だって愛の味がするだろう。
僕は近日中に動こうと思う。
パズルの1ピース、足りない心を探しに。