黄金の涙

燃える朝焼けが見たくて布団を抜け出した。
こみ上げる胃酸をこらえながら走る。
突き動かす衝動に身を任せうす闇を切り裂いた。
世界中の全ての葛藤よ僕の背中に宿れ。
苦しみが少しでも軽くなるならばどうか僕の胸にナイフを突き刺してほしい。
土手まで5km、欲するままに身をよじらせた。
黄金の涙が頬を伝う。
狼男の最後、太陽よ僕を滅ぼせ焼き尽くせ。
そして一握りの愛が砂金のように吹けばいい。