タイトル「幸せ」

今日、コンサートを終え名古屋から東京へ戻る新幹線の中。
「慎ちゃん話し方が変わったよね」
向かいに座る八代亜紀さん、そしてスタッフの女性達。
僕が何か話すたび、そしてリアクションをとるたび腹を抱え笑っている。
前はどんな話し方だったんだ??
そう、自分でも最近話し方に熱がこもっている気がする。
くだらないジョークの時なんか鼻息を荒くして手振りを交えて喋ってる。
「シェフ」のせいだ。
歌の説得力ってなんだろう?
「事実」それはもちろんだろうが、いかに熱を持って歌うかがもっと大事だ。
最近落語のCDをよく聴く。
同じ話でも話し手が違えば笑えたり笑えなかったり。
つまりである!
人はストーリーじゃなく話し手の表現法、歌い手の表現法に泣いたり笑ったりしてるんじゃないのか?
菓子パン食ってた青年がシェフに出会った、それだけの歌。
こいつに魂を吹き込むのは俺の精神でしかない、表現でしかない。
そう思うと日常の会話だって同じことじゃないか。
「朝飯は納豆食ったんだ」
こんな会話だって熱込めて話したら壮大な物語になる。
小さい幸せだって大きな幸せになる。
相田みつをさんがいいことを言っていた。
「幸せは人の心が決める」
僕は多くの幸せを見逃してきた。
気づかないほど小さなもの、大きすぎて見えなかったもの。
芸能界というところに入って早三ヶ月。
毎日ものすごい経験をしていく中通り過ぎてく景色達。
皆、油絵にしたい、写真にしたい、文章にしたい、歌にしたい。
過ぎてく時が手のひらから零れ落ちていく。
そんな時僕は時を止める方法を学ぶ。
「話す」ということ。
大げさでもいいから幸せを分かち合いたい。
わかってほしいんだこの幸せを。
身振り手振りオーバーなリアクション。
わかってくれるかこの気持。
あふれ出る感動が今の僕を作るなら、バカと呼ばれてもいい笑われてもいい。
どんな場面が訪れたって「幸せ」とタイトルをつけてやる。