四季

人の表情が見えるライブが好きだ。
歌ってすぐ反応が返ってくるありがたさ。
表情で今日のライブが成功か否かがすぐわかる。
大きなホールでもちろん歌ってみたい。
けれど、きっとまた路上や小さな店で歌いたいと思うんだろう。
よくデビューを目指す人が「下積み」という言葉を使うが、僕は違うと思う。
どれも一生に一度の本番なんだ。
テレビに出たからといって成功したとはいえないし、CDを何百万枚売ったからって成功とは言えない。
人の気持にどれだけ深く突き刺さったか、それが大事なのではないだろうか。
だからこそ「下積み」なんてなくてどれもが本番だと僕は思う。
桜の木は春にしか注目されない。
しかし、夏も秋も冬も春の為に準備をしている。
どの季節が抜けてもいけない。
四季があってはじめて花が咲くのだ。
僕はけっしてデビューの為に歌っているわけじゃない。
CDを何百万枚も売るために歌ってるわけじゃない。
ただ人が喜ぶ顔が見たいから歌ってるんだ。
どの季節も愛しい。