1/4の願い

もし僕の足が10cm長かったら人生はかわっていただろうか?
人はよく「男は見かけじゃない!中身だよ」と言う。
半分当たりで半分は違うと思う。
僕は、中身が本当に良ければ外見に出てくると考えているからだ。
しかしどんなに中身が良くても足だけは伸びないらしい・・。
最近ズボンを買ったのだが、1/4はすそ上げで切られてしまう。
一度でいいから切らずにズボンを履いてみたい。
僕の場合この願いは子供服売り場に行かなければ叶わないらしい・・。
この世に同じ願いを抱いている人がどれほどいるだろうか?
僕にとっちゃ試着は残酷な仕事だ・・
まるで遠山の金さんのようにズボンを引きずって、鏡の前で店員さんに
「このぐらいでいいですか?」と聞かれ、
「もう少し長くしといてください」と言って、すそ上げで無駄な抵抗をしてみせる。
恥ずかしさと惨めさがどっと押し寄せ、親を責めるしかない。
家に帰り、「なんでもっとモデルみたいに生んでくれなかったの!?」
と言って親の足をみつめる。
同情・・
親を責めても足は伸びない。
「人は見た目じゃない中身だよ。」と自分に言い聞かせ毎日が過ぎていく。
無常・・。
人を羨んで生きていくのは悲しいが、羨まずにはいられないときが人にはあるものだ。
もし僕の足が10cm長かったら人生はかわっていただろうか?
誰か「No!」と言ってくれぇぇぇ!