夢の手ざわり

今日はTV埼玉の番組放送日だ。
緊張した顔に映っているか?それともいつも通りか?みなさんに判断してもらいたい。
しかし、今回のTV放送に感謝しなければいけないのは、過去の友達と再び連絡を取り合う機会を与えてくれたことである。
「TV埼玉にでるんだよ」と懐かしい友達にFAXを送れば、「くどしん頑張ってるね!俺も頑張んなきゃ」と返事が返ってきた。
高校を卒業して以来「友達」と連絡をとる機会がめっきり減ってしまった。
忙しく仕事に追われ、夢をすり減らす毎日。
彼らは今何をしているんだろう?人気のない地下鉄でボンヤリ考えたりもした。
高校の頃、僕らは確かに「夢」があった。
形にならなくても「希望」という名の夢があった。
退屈だとぼやきながら帰った通学路だって、くだらないと思ってた授業だって、どこかに夢の手ざわりを感じていた。
しかし今、僕達の手の中にあるものは何だろうか?
現実という言葉で過去の夢を鼻で笑っている。
確かにあった夢の感触。
僕達はどこに置き忘れてきたのだろう。
今日、僕はTV埼玉に出演する。
本当に小さな番組だ。
思わず笑ってしまうかもしれない。
しかし、この番組は僕にとっても友達にとっても大切なものになると思う。
「いつか歌手になって武道館で歌ってやるぜ!」
学校の教室でほうきを片手に歌っていた。
「音楽なんてやめてやる・・」
一人暮らしの部屋で天井を見上げて思っていた。
「元気を与えるシンガーになりたい!」
路上でギターを抱え、今僕ははまた夢を見ている。
決して夢を見続けてきたわけじゃない。
はっきりいって何度あきらめたかわからない。
そんな僕をテレビで見てみんなどう感じるだろうか?
きっと卒業アルバムを眺める気分だろう。
もしその時少しでも夢の手ざわりを思い出したならば、忘れないようギュッと握り締めてやってほしい。
夢をもって生きることが本当の現実だと僕は信じているから。