チョコレートの意味

バレンタイン。
中学、高校の時は「バレンタインなんてくだらねぇ」なんて男友達と言い合いながら登校していました。
しかし、いざ学校に着くと下駄箱を見るのもドキドキ、席に座れば机の中をあさってドキドキ。
いつも通り臭い上履きと、くしゃくしゃに丸まったテスト用紙があるだけ・・。
今思えば甘酸っぱい思い出、けれど当時は必死でした。
女の子にチョコをもらう友達が羨ましかった。
家に帰れば、母親から毎年恒例のチョコレート1つ。
毎年切ない気持ちで過ごしたバレンタイン。
あぁ・・世のモテない男子達よ!
切ない気持ちなのは君だけじゃない!
母親からのチョコレートだけでもいいじゃないか!
チョコの数で男の価値が決まるわけでもあるまいし。
この俺を見てみろ!
モテなかったからこそギターを握り、ルックスではなく男は心だと叫び続けた!
モテないのはマイナスな事ではない!
むしろパワーの源だ!
俺の胸に刻まれた「モテてぇぇぇぇぇぇ!」という傷が疼くたび歌でその痛みを抑えた。
君達はどうだ、モテないからといって肩を落とし何もしていないじゃないか!
モテないのは神が俺たちに与えた試練だ!
モテる男には成し遂げられぬ試練を与えてくれたのだ!
俺たちは神に選ばれし者達!
モテないことを光栄だと思え!
そうだ、今こそ世界に知らしめてやるのだ、モテない男の本当の力を!
今まで歯を食いしばっていたバレンタインという日を、これからは高らかに笑ってやれ!
さあ、モテない男の逆襲だぁぁぁ!ワッショイワッショイ血祭りじゃぁぁぁあ!
失礼、取り乱しました。
世の女性の皆様、男はさびしがりやです。
愛がなければ生きていけない生き物なのです。
毎年チョコレートの売れ行きは伸びているのに、愛に飢えた男が一向に減らないのはなぜでしょう。
モテない男にとってバレンタインは地獄です。
「お前はモテないんだよ」と通告されるに等しいのです。
しかし、その地獄という名の現実が僕を奮い立たせました。
歌はコンプレックスからはじめた自分への反抗だったのです。
「慎太郎さんモテたでしょう?」なんてきかれますが、とんでもない。
モテなかったからこそ歌がうまくなったと言ってもいいぐらいです。
僕にとってバレンタインは切なく甘酸っぱい日であり、自分に挑戦状を叩きつけた決意の日でもあるのです。
世の女性の皆様、ぜひ義理チョコなどモテない男に与えないでほしい。
自分はモテないんだという現実が男を成長させるのです。
本命チョコだけでいい。
あなたの心からの愛が欲しいから男は競い、悩み、絶望し、そして大きくなるのです。
だからどうか、世の女性の皆さん
「本当の愛」を男に与えてください。
少しだけバレンタインの意味を男のために考えてやってください。
チョコレートが甘く、苦いのは「本当の愛」がそんな味だからでしょう。
バレンタインはチョコを渡すだけの日ではなく、「本当の愛」を考える日になってくれればと願っています。