ノーベル症・・

「風邪の特効薬を開発すればノーベル賞がもらえる」なんて話を聞いたことがある。
しかし今だに「これぞ特効薬!」なんてものは開発されていない。
けれど何よりの特効薬があると僕は思う。
「日々の体調管理」だ。
そりゃそうだと思うだろう。
当たり前すぎると思うだろう。
けれどよくよく考えれば、当たり前の所に意外な発見があったりする。
ある日友達と、「音楽で世界を平和に変えることは可能か?」という話題で盛り上がった。
友達は可能と答えたが、僕は不可能と答えた。
ビートルズだってボブディランだって世界から戦争を消せなかった。
ジョンレノンがラブ&ピースと言っていたが、なんだか自己満足の世界だったように思えた。
僕は考えた、
「もし本当に、この世を変えてしまうような歌があるとしたらどんな曲なんだろう?」
それから1、2年過ぎ、そんな疑問も頭から消えてしまった頃、僕は大きな風邪をひいた。
立って歩くのも一苦労で、這って病院に行った。
医者に、「風邪の特効薬ってないもんですかねぇ・・ゴホンっ」とたずねると、
「日々の体調管理が一番の特効薬だよ」と答える。
こんな時にジョークかよ・・と思ったが妙に納得。
本当にそうだ、最近睡眠不足だったし、外食ばかりで野菜もろくにとってなかった・・風邪ひいてもおかしくはない。
その時頭に友達との会話が浮かんだ。
「音楽で世界を平和に変えることは可能か?」
僕は思った、
「可能だ!」
まず日々僕が感動したことを歌にする。
それを聴いた誰かが感動し優しい気持ちになる、次に違う誰かにその優しさを伝える(たとえば親の肩をもんでやるとか)そして誰かに、誰かに・・
優しさの伝導だ。
前に「ペイフォワード」なんて映画があったが、あれといっしょだ。
特効薬ではないけれど、少しずつだけど 歌で世界を確実に変えることはできる。
ビートルズだってボブディランだって戦争は消せなかったが、僕達に幸福感を与えてくれた。
それって「世界を変えた」ってことなんじゃないかなぁ。
小さいことかもしれないけれど、本当の平和は人の心にあると思う。
戦争が消えなくたって、人の悲しみが消えなくたって、優しさの伝導はやめてはいけない。
日々の体調管理が風邪の特効薬ならば、
身近な人を日々感動させていくことが世界を変える特効薬なのかもしれない。
風邪をひいてもただでは起きないしんちゃんであった。